フィヨルドブートキャンプを辞める。という話
本日をもってフィヨルドブートキャンプを終了することになりました。
はじめに断っておくと、フィヨルドブートキャンプは素敵なプログラムです。私自身も後ろ向きな理由で辞めるわけではありません。
メンターの駒形さん、町田さんの御好意で、初訪問で辞めます宣言したフィヨルドオフィスから、コーヒーにEuRuKoお土産のお菓子までご馳走になりながらこのブログを綴っております(なんと厚かましいやつ!)
なぜフィヨルドブートキャンプに参加していたのか
私がどんなキャリアを歩んできたのかは、下記リンク先の記事
を読む必要がないように、ざっくり説明すると
- 汎用機系SEやってたけど、キャリア形成する上でかなりまずい状態なのを自覚しており、「特定の会社に依存せず、どこへ行っても通用する力をつけたい」と考え、データアナリストに転身
- したつもりだったが、実態はデータエンジニアとしてデータマネジメント業務。と、言いたい孤独なデータマート拵えおじさんと化してしまい、ひたすらに危機感を募らせていく(やるべきことはやってきましたが。)
- (今年の初旬からそれまで以上に業務時間外での学習時間を必死で確保、さまざまな会社のミートアップやカジュアル面談に行ったり、誘っていただければ応募してみたりを数ヶ月続けました)
select-from-where.hatenablog.com
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そんな活動の末、自分の目指すデータアナリストとしてのキャリアの方向性に迷いや悩みを抱えるに至りました。
毎日モヤモヤした気持ちを抱えながら過ごしていたところ、フィヨルドブートキャンプに出会い、いつも気にかけてくれ、たくさんのアドバイスをくれる友人(エンジニアとして大活躍中)の強い勧めもあって参加を検討し始めました。
私自身も「なにこのサービスすごい...しかも学費いらんって最高やん...」と思うにいたり、komagataさんのこのブログ記事を読んで参加を決意。
下記の応募フォームに必要事項を記入して送信。無事、参加させていただくことが決まったのでした。
エンジニアリングを体系的に学び、プログラマ・エンジニアとしてサービス開発の現場を経験した後、まだ未練が残っていればデータエンジニアリング/マネジメント/アナリティクスの領域に戻るのは割と現実的なキャリアプランのように思えました。サービス開発の現場を知っている、自分で実装できるスキルがあるのは、その後のキャリアを強化してくれそうだと考えていました。
年齢的にもじっくり学びなおす最後のチャンスかもしれない。ブートキャンプを終えた後のキャリアに対するワクワク感は非常に大きく、10月以降は学習に専念するため在職中の会社に退職を願い出ました。
フィヨルドブートキャンプに期待していたこと
「自分で開発したサービスを持って転職活動をする」というブートキャンプのコンセプトがもっとも魅力を感じた点なのですが、他には以下のようなことを期待して参加していました。
- 事業会社に転職すること(組織づくりや風土・仕組みづくりにも関心があるため、これ以上クライアントワークはしたくない)
- Webサービス開発のエンジニアリングを、メンターのフォローを受けながら体系的にじっくりと学ぶこと
- プログラマ、エンジニアとしての心構えやカルチャーを体感し、コミュニティに属すること
実際に自分が学習を進めながら受けたフォローや、他の参加者の方の様子を見ていて、最後までやり切ることができれば、2, 3に関しては確実に期待に沿う結果が得られていたと思います。
なぜフィヨルドブートキャンプを辞めるのか
ブートキャンプ参加時点で選考を残していた1社に、データアナリストとしての転職が決まりました。
選考に通っても落ちてもブートキャンプに邁進するつもりだったので身構えすぎず(めっちゃくちゃ緊張はしましたが)、ありのままの経験や仕事に対する考え方を話した結果、カルチャーへのフィットや人となりを重視してくれる会社だったため、内定をいただくことができました。
内定承諾期限間際まで悩みましたが、ビジョン・プロダクト・人が魅力的だと感じており、逃してはならないチャンスのように思えました。プログラマ・エンジニアへのキャリアチェンジではなく、現職で得た経験やスキルを活かしたキャリアアップの道を選ぶことに決め、ブートキャンプの終了を申し出るため、本日初めてのフィヨルドオフィスに足を運びました。
フィヨルドブートキャンプに参加して感じたこと
このブートキャンプの(技術面での)核心に近いプラクティスであるはずの、Ruby, Ruby on Railsに到達する前、かなり初期に近い段階で辞めてしまうため、浅い体験談になってはしまいますが...
「プログラマーとして就職を希望する方のための就職支援サービス」であるだけに、学べることは技術的なスキルだけはないと感じました。
どこで誰と働くときでも必須となる「問題解決能力・判断力」、エンジニアとしてキャリアを構築するために欠かせない「学び続ける力」を養うことができるカリキュラムになっていると思います。
参加を迷ってこの記事に辿り着いた方へ
まずはホームページに記載されている内容をよく読み込み、問い合わせフォームからコンタクトを取って見ることをお勧めします。下記も参考にしてみてください。
1.Web業界のカルチャーに触れられる
プラクティスの初期、学習の準備「SNSの登録」でも説かれているのですが、人と繋がりを作ること、アウトプットを公にしておくことは「機会を得る可能性を高める」と言う意味でとても大切です。これまでに出会った優秀であると評価されているエンジニアの方々は総じて同じようなことをアドバイスしてくれます。
学校や一つの会社しか知らない閉じた世界に生きていたり、ただインターネットに繋がっているだけでは気づくことが難しいWeb業界の独特な文化を、その世界に身を投じる前から体感することができると思います。
2.人との繋がり
そもそも私がブートキャンプに参加した決め手の一つは、フィヨルドブートキャンプを卒業した優秀なエンジニアの方との遠い縁です。
信頼している友人が「尊敬しているし信頼しているエンジニアの方」がフィヨルドの関係者で、ブートキャンプは明確な学ぶ動機があるならオススメできると言っている(←ややこしい)と言う事実は、受講を決める上で大きく背中を押してくれました。
このような細い縁が、現実に繋がっていきやすいのがこの業界だと思います。
また、フィヨルドブートキャンプにはメンターのお二方に限らず、困っている人がいればアドバイスを送ったり、サポートをしてくれる人が何人も存在します。そこで披露された知見は、日報やWikiにナレッジとして蓄積されています。
得られるのは直接的なサポートだけではありません。「今日もあの人は時間をかけて丁寧に学んでいるな」とか、「この方はそう言うことにモチベーションがあって今頑張っているのか」とか、「めちゃくちゃわかりやすい説明する人だな」とか、「素敵なブログ書く人だな」といったことが日報やブログ、twitterで垣間見れるのは、たくさんのプラクティスをこなして行く上で大変な心の支えになるのではないかと思います。
3.やはり体系的に学んでおくことは大事(と言うか安心)
私は小心者なので、知識を体系的に学んでから手を動かすことが大事で、長期的に見ると安心感を得やすいです。そのためフィヨルドのカリキュラムにフィットしていた気がします。
よくはわからないが動くものにはなっているようなシステムは、職場での責任が大きくなるほどに距離を置きたい悩ましい存在になっていきます。
基礎から体系的に学んでいれば、仕組みを紐解いて技術的負債をリファクタリングできるのかもしれない...と思う日はいずれ来るものです。
フィヨルドブートキャンプで学べる技術は下記リンク先の記事を参考にしてください。
4.効率よく”教わりたい”人にはオススメできない
このブートキャンプは ”学ぶための” 場所であり、”教わるための” 場所ではないことを認識しておく必要があります。
提携先の企業との信頼関係で成り立っているサービスのため、就職させるためではなく、就職先で活躍させることを目指して作り込まれたカリキュラムになっています。
意図的に学習コストを下げて挫折しにくくいようにし、楽しく最後まで進められるように作られたプラクティスは序盤でもありませんでしたし、おそらくその先もありません。
効率よく最短(のように見える)ルートで教わりたい人*1は、別のブートキャンプや学習方法を検討したほうが良さそうです。
5.それほど覚悟が決まっていない人はProgate
今は特に独学で学んだりしていないけど、今の環境が不満だし将来が不安。Webエンジニアの職場環境とか待遇はいいらしい*2、ブートキャンプで教えてもらえればやれそう、とか思っていたらちょっと待った!です。
在職中だと学習時間の確保にストレスを伴うセルフマネジメントが必要になってくる環境の人の方が多いと思います。参加を決める前にProgateを活用して、HTML, CSS, Command Line, Git, Ruby, Ruby on Railsまでを、休日に集中してやるか、平日も頑張るのか、コンスタントに消化することにトライしてみると良さそうです(最近の受講者の方はこのルートを辿っている人がちらほらいるはず)。
Progateでの学習を計画を立てて実行できれば大丈夫です。自ら学ぶ姿勢があれば、困った時はメンターの方、アドバイザーの方、親切な受講者の方が助けになってくれます。何より、他の受講者の学生さんや社会人の方が懸命に学んでいる様子はとても刺激になりますよ。
これからのキャリアについて
ここしっかり書けよ!って感じですが、これまでの章を書いたり消したり推敲を繰り返したので(話の抽象度高くしすぎたかも)息切れしました。笑
データアナリストとして戦力になるには、一人前のRailsエンジニアになるのと同じくらい、まだまだたくさんの学習が必要です。これまでのキャリアで培った組織課題を見つける力やそれに対する取り組み、データマネジメントスキル、折衝力、コミュニケーションスキルを活かして組織貢献しつつ、貪欲に学んで成果を上げられる人材に成長したいものです。
その傍ら、小さなプロダクトを作って公開できるように、Railsの学習はフィヨルドブートキャンプのカリキュラムを参考にゆっくりと続けていこうと思います。
Web業界の素敵なところは、オープンでgiveを惜しまない人が多いところです。 今のところ、私はまだまだ人にgiveしてもらいっぱなし。一端のデータアナリストになって、一緒に働く人に限らず様々な人に還元して行けるような人間になりたいと思います。
次の会社はRubyとの繋がりも深い会社なので、なんとかFjordとの架け橋を作るきっかけになれるといいな、などと思っています。