転職してからこれまでを振り返る
9月に書いたこちらの記事を振り返りつつ、これからを考える記事。日記の域をでず、アイキャッチ画像には何の意味もない。
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9月から今までの話
未だにデータマートを拵えおじさんをやっている
前回の転職後エントリから半年が経過した。 常駐先では急な天変地異により自社メンバーが私1人になり、孤軍奮闘の後、他社パートナーの方を迎え(たのはあくまでクライアントなのだが、)日常業務を平常運転で消化できるようになってきた。
業務内容はというと、相変わらずデータマートの開発、保守・運用。時々スポットでデータ抽出・加工するなどしている。 主にSQLを用いてBIツールで参照するためのマートを作成、モニタリング環境にデプロイする。既存のマートの改修依頼も多く、新規案件も請け負いながら、保守案件もこなすといった日々を送っている。
そのため、業務時間中にじっくりとデータ分析をすることはない。入社時の肩書き「データアナリスト」を(個人的に)捨て、最近はデータエンジニアとかBI開発エンジニアと名乗るようにしているし、Twitterの肩書きも書き変えた(涙目)
私はただ降りてくる仕事をこなしているだけなのか?
業務委託の立場ではあるが、あるサービスのモニタリング基盤担当窓口として、クライアントのプロパー社員を介さずに要件のヒアリング、設計から携わることができている。現場にノウハウを持った人間がおらず、この設計で良い分析ができるのか?と日々疑問を感じながらではあるが、知識をつけたり、試行錯誤しながら、少しづつ手応えを掴みつつある。
誰かに指示を受けることもマネジメントされることもないため、まるでフリーランスエンジニアのようだと感じている。
私なりに前任者から引き継いだ業務フローには存在しない仕事に取り組んできた。 個人のキャリア形成やスキルアップと組織貢献を天秤にかけたとき、組織貢献をとりたくなる性格だ。(この職で長く食っていくにはまあまあ危険な属性であることは自覚している。) そのためか組織の抱える課題が目につき、やりたいことでなくても、ポータブルスキルを磨くことにならなくても、できるところからどうにかしてやりたいと考えて取り組んできたつもりだ。
だから私は、ただ降りてくる仕事をこなすだけで日々を過ごしてはいないと思う。でも物足りない、意思決定をしていないし、意思決定を支援しているという実感も薄い。
私の考える組織が抱える課題とは
今の現場は、高速な処理基盤を手に入れ、モダンなBIツール導入のスモールスタートに成功していたものの、様々な問題を抱えていた。解消していないものもまだまだある。
下記に少しだけ具体的にあげたくて一度は書いたのだが、身分も勤め先も明かしていないとはいえリテラシー的に問題ありすぎるので非公開。(BI活用のアンチパターンになる気がするので、これだけで記事書いてみたいと思ったりもするが。)
私が取り組んだこと
1. データマートの作成・改修依頼から開発、デプロイまでの業務フロー策定
何としても新規参入者が来る前に手を打ちたかった。具体的にやったことは3つ。ノウハウがあったわけではないので、現在も運用しながら改善を加えている最中だ。
- 依頼フローの整備 依頼者側の窓口を集約し、依頼時のフォーマット作成を支援した。 また、要件定義の1次チェックを依頼者側の窓口に寄せることで、要件定義にかかる工数を削減した。
- 開発フローの作成、明示 開発工程を具体化し、必要工数の目安を開示して、依頼者側の窓口と認識を合わせた。 また、プロジェクト管理ツールの運用ルールを策定した。
- 諸々手順書の作成 これは新規参画者への引継ぎのためでもあった。 具体的に何するコマンドとオプションかわからないけど、どういう結果になるかはわかるからそのままやればいいんでしょ的な使われ方になりがちである事を意識しつつ、作業の意図と合わせて明文化する事を心がけた。
2. 大枠の設計概念の策定と明文化
開発フローの作成にも大きく関わるのだが、利用者が多くもはや潰すことのできないマートを維持しつつ、保守にかかる工数が軽減されるような設計概念を明文化して依頼者側の窓口と共有した。
具体的には、可能な限りスタースキーマの概念に沿うよう既存のデータマートを取り込んだ設計概念を固め、作成依頼に基づかないディメンションテーブルの拡充作業を独自に進めた。これにより頻発していたディメンション追加依頼の削減につながることを期待したが、ファクトテーブルが不足していることもあって開発依頼は絶えない
3. データマートの仕様に関するドキュメントを拡充
一応存在していたテーブル定義書(誤植多...)をベースに、既存のSQLを解析してドキュメントを整備、公開した。とは言っても、ドキュメント不足の解消には至っておらず、まだまだ拡充が必要だと感じている。
なんとか「同じ指標でも部署によってデータ抽出方法が方法が異なり、せっかくのBI基盤が組織横断の共通言語となっていない」状態を解消していきたい。
そのほか
- 他社パートナーとうまく付き合うこと
現在他社パートナーのメンバーとタッグを組んで業務にあたっている。
同じ組織の仲間であるという事を強く意識して接している。現職について1年も満たない私の知見ではあるが、全てオープンにして密にコミュニケーションを取るようにしている。
チャットやミーティングで業務に限らない情報を連携し続けた事で、相手からも情報が飛んで来るようになった。実感的には良好な関係を築くことができている。
環境面の変化
当然だが、環境面も大きく変化したのでその影響をざっくりまとめてみる
●よくなった
- (前職と比べると)比較的モダンなシステム環境や、ツールに触れることができる
- 学ぶ意欲と就労への活力を感じるようになった
- 自己研鑽に割く気力と時間ができた
- 業務時間中にじっくり思考して、作業に没頭できる時間ができた
- コミュニケーションコストが下がった(チャットやプロジェクト管理ツール、ペーパーレス)
- 年功序列の給与体系から脱却した
×悪くなった
- (前職と比べると)チームらしいチームで仕事していない
- プロジェクト単位の総工数が小さい(25〜30人月→3〜20人日)
- 一時的な年収の下落
- (前職と比べると)休みが取りづらい(意図的に取れる長期休暇がない)
これまでに身につけたこと
そんなこんなでなんとかやってきたわけだが、ここまでで身についたポータブルスキルを「テクニカル」「ヒューマン」に分けて整理してみた。
テクニカル:仕事や業務を適切にこなす能力(業務遂行能力)
●ある程度できている
- SQL(Hive,BigQuery)を不自由なく自在に操る
- 業務システムに蓄積されている正規化されたデータのETL
- Hadoop、GCP(BigQuery,CloudStrage,CloudShell)を駆使したデータのETL
- 最低限のプログラミング(Python,Linux(ShellScript))
- BIツール(Tableau)の操作
- クライアントのビジネスモデル理解
- データ分析向け要件定義力
- 保守性を考慮した運用設計
- モニタリング基盤の運用(インフラは除く)
×できるようにならねば...
- クライアントの属する業界動向のウォッチ
- Google Analytics等アクセス解析の知識
ヒューマン:人間関係を円滑にし、人との繋がりを最大限に活用する能力(対人関係能力)
●ある程度できている
- 業務委託としての領分をわきまえた業務遂行(これ大事...)
- 同じ領域を担う他社パートナーとの関係構築
- 業務の枠を超えた個人的な取り組み
- 個人の責任が重く、プロ意識が向上した
×できるようにならねば...
- コネクションを増やすための社外活動(今月から活発にやっていたりはする)
個人の課題とこれから取り組みたいこと
スキルセットと環境の面から考えてみる。 様々な企業の募集要項を眺めて作成してみたが、到底やりきれないので、同業とのネットワークを作りつつ、自分が優先的に専門性を高めるべき箇所を見極めたい
▲自分に足りていないスキル
- 半年〜1年でできる
- 3年かかる
- もっと長期的に見るべき
- 機械学習や分析結果を用いたサービスモデルの開発
×今の環境ではできそうにないこと
- 自社サービスの発展に貢献する
- ユーザーに価値を届けることに貢献する
- 自ら組織を横断してコミュニケーションを取り、データを収集して分析する
- 組織の目標を意識し、チームワークを駆使して業務を遂行する
これから大切にして行きたいこと
夢を再確認したい。私が社会人として実現したいことは二つある。
1.情緒的な満足感をユーザに提供するサービスに携わりたい
これは絶対に夢のままで終わらせたくない。
自分の仕事が誰かの生活を少しでも豊かにしていると信じて働けるのは幸せなはずだ。とか未だに夢を見ている。
2.データを組織横断の共通言語にし、データ活用を普及・促進させる組織を作りたい
人の入れ替わりが激しい業界だと思うが、私は結局、組織を重視して物事を見て考えるタイプだ。
どこがうまく行っていないか、軌道修正すべきかを観察して気づくことができる。
エンジニアリング力をとっても、データ分析力をとっても、今から尖った人材になるのは難しそうだ。しかし、組織を俯瞰してみる力には自信があって、自分の強みだと考えている(成果として提示することは難しいが...)
だから、様々な能力を持つ人たちが集まり、その力を発揮できるような組織を率いる人間になりたい。
そのために一つ、これは負けんという専門性の高さを身に付けたい。まだまだ低いレベルにいるビジネスも、テクノロジーに関する知識も、マネジメント力も自信が芽生えるようになるまで引き上げていきたい。
そして何より、それらを実現することができそうな環境を掴み取りたい。